投資のタイミングはいつ?ドルコスト平均法で機械的に積み立てよう!

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投資に興味が出てきて、貯金から投資へと意気込んでいる人も「いつ投資すればいいの?」と悩むことでしょう。
キャピタルゲインを狙うのであれば「安く買って高く売る」ことが肝要なので、安く買うタイミングは極めて重要です。
しかし、株価が下落した株式が今後成長するかどうかの判断は、はっきり言って投資初心者には不可能だと思ってちょうどいいです。
今回はいつ投資すればいいかタイミングに悩む人におすすめの、ドルコスト平均法を解説していきます。
毎月一定金額を投資に回すドルコスト平均法は、感情に左右されず投資ができるので、初心者のみならず中上級者も実践している方法です。

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ドルコスト平均法は自動で合理的に積み立てる

ドルコスト平均法とは、毎月一定額を投資に回して機械的に積み立てていくという投資手法になります。
毎月○○株購入するという株数を決めるのではなく、毎月○○円を投資するというように一定金額を決めて投資するのがドルコスト平均法です。

ドルコスト平均法には
・高値で掴むリスクが減り、平均取得単価を下げられる
・感情を挟まず、機械的に合理的な投資ができる
・少額から一定額積み立てが可能なので家計を管理しやすい

というメリットがあります。

高値で掴むリスクが減り、平均取得単価を下げられる

投資においていつ買えばいいかということは極めて重要な問題です。
みんな安く買いたいですからね。
しかし、相場を読んで安いタイミングを探るということは不可能だと思っておいた方が身のためです。
プロでも判断が分かれる難しい問題なので、投資初心者にはまず無理と考えてちょうどいいと思います。

とはいえ、資産形成を始めたいと思って行動し始めるわけなので、できる限り安く買いたいという願望は持ってしかるべきです。
投資を始めて最も怖いことは、投資した直後に○○ショックなどの大暴落が来て大きな含み損を抱えることです。
株価を頂点付近で掴んでしまって、その後長期間下がり続けることは精神的に苦しいものがあるため、これを避けたいのです。

そこで、一定金額を積み立てるドルコスト平均法は株価が高いところでは少量、安いところでは多く株式を買うので、購入単価を下げる理にかなった買付方法なのです。
例えば、毎月100株ずつ購入する場合と、ドルコスト平均法を使って毎月12,000円を積み立てる場合を比較しましょう。

毎月100株ずつ購入する場合

1ヶ月目2ヶ月目3ヶ月目4ヶ月目合計1株当たり
株価120円60円50円75円
株数100株100株100株100株400株
購入金額12,000円6,000円5,000円7,500円35,000円76.3円

ドルコスト平均法で毎月12,000円ずつ購入する場合

1ヶ月目2ヶ月目3ヶ月目4ヶ月目合計1株当たり
株価120円60円50円75円
株数100株200株240株160株700株
購入金額12,000円12,000円12,000円12,000円48,000円68.6円

上の表は1ヶ月目に株価120円で投資をスタートした後大暴落が発生し、4ヶ月目にやや株価が戻ったという場合を想定しています。
100株ずつ購入した場合は1株当たりの単価が76.3円/株、ドルコスト平均法の場合は68.6円/株となりました。
4ヶ月目の株価が75円のため、100株ずつ購入した場合は(75円/株-76.3円/株)×400株=-520円、つまり520円分損をしています。
一方、ドルコスト平均法の場合は(75円/株-68.6円/株)×700株=4,480円、つまり4,480円の利益が出ました。
このように自動的に高いところで少なく、安いところで沢山購入して平均取得単価を下げられるドルコスト平均法は、大暴落の最中でさえも利益を出す可能性があります。

感情に流されず合理的な投資が自動でできる

投資において最も避けるべきことは感情に流されて取引をするということです。
投資をする前には何のために投資をするかという軸をはっきりとさせ、その軸に従って投資を行うことが肝要です。
しかし、多くの人は暴落して含み損を抱えると、精神的な辛さから積み立てを止めたり、最悪損を抱えたまま手放してしまうことがよくあります。
最初から長期投資を軸においていれば、数十年に一度は大暴落が必ず来るから含み損を抱えても持ち続けるという方針を貫けるのですが、現実として直面するとそうもいかない人が多数出てきます。

また、大暴落の時は株式を割安で買えるお買い得セールなので、暴落の底で大量に株式を購入できれば株価が戻ったときに大きな利益をあげられます。
しかし、暴落の底を見極めて投資をすることはとても難しく、暴落の底かと思ったらまだ途中で資金を突っ込んでしまい、含み損に悩まされることも多々あります。

そのように、投資では感情に左右されて正しい判断ができないことは致命傷となりますが、ドルコスト平均法は機械的に一定額を投じていくので感情が入り込む余地がありません
短期的に含み損を抱えたとしても、長期的に続けていけば利益がでるというスタンスで積み立てを淡々と続けていくことが大切なのです。

少額から一定額積み立てが可能なので家計を管理しやすい

ドルコスト平均法は投資に回す金額が毎月一定になるので、家計管理が非常にしやすい手法です。

先ほどの例のように毎月の投資を100株ずつという風に株数で決めてしまうと、株価が変動するたびに投資に回す金額も変わってしまいます。
株価が上がれば想定以上の金額を投資に回すことになり、家計が赤字になることも考えられます。
その点、ドルコスト平均法は投資に回す金額が常に一定のため、株価が変動しても家計には関係がありません。

また、ドルコスト平均法は少額からの投資でも効果を発揮するため、資金があまりない投資初心者でも取り組みやすい手法です。
毎月数千円~数万円を目安に投資を始めて、投資に回す資金に余裕ができたら別の銘柄で金額を増やして投資してみるという選択もできます。
支出をコントロールして浪費を投資に変換するということも、投資に回す目標金額が決まっているので実行しやすいと思います。

まずは家計の無駄を削って、少額でいいので投資に回す資金を確保しましょう。

ドルコスト平均法は万能の投資法ではない

短期売買には向かない

ドルコスト平均法は長期投資には向いていますが、短期で利益を出そうと思った場合には不向きな手法になります。

短期売買で利益を出すのであれば、相場を読み安値の時に大量取得して高値で売り抜けるという投資判断が必要になってきます。
ドルコスト平均法は安値の時でも一定金額しか取得しないため、大きく利益を求める投機では使えません。

しかし、そのような投機はリスクが大変高いため、ある程度リスクを抑えた投資をしたい場合には長期投資をおすすめしています。
小さな子供がいたり、高齢で収入が見込めないようなリスク許容度が低い方は短期の投機をするべきではありませんので、自分のライフステージを考えて投機するようにしましょう。

負けはしないが、大勝ちもできない

先ほども少し触れましたが、大勝ちするためには安値での大量購入が必要となってきます。
ドルコスト平均法はそのような購入の仕方はできませんので、大きく儲けたいという方には向いていません。

投資対象の株価が長期間で大きく成長すれば、大きな利益を得ることは確かにできます。
しかし、それは投資対象が成長したからであって、ドルコスト平均法で投資するかどうかは別の問題です。
大きく儲けたかったら、投資対象の選定が非常に重要になってきます。

時間分散されない

ドルコスト平均法は毎月一定金額を投資するという投資法ですが、実はこの方法では時間分散されず時間経過によるリスクが大きいのです。

みなさんは初月に大金をドカッと投資する方法と、投資する時期を分散させているドルコスト平均法はどちらが時間分散ができていると思うでしょうか。
小分けに投資しているドルコスト平均法の方が分散されていると直感的には思ってしまうのですが、実は初月に一括で投資した方が時間分散されるのです。

どういうことか毎年10万円を20年間投資した場合を例をとって考えてみましょう。
ドルコスト平均法では累積の投資額が初年度に10万円、2年目に20万円、………、20年目に200万円が積み立てられます。
初年度に投資した10万円は20年間運用していますが、20年目に投資した10万円は1年間しか運用していないことになります。
短期間の運用ではリスクが大きいということを説明した通り、20年目に投資した10万円は1年間という短期投資になっており、長期投資を前提としたインデックス投資の大原則に反しています。

一方、初年度に一括で200万円投資した場合には、200万円全額が20年間運用されたことになるため、長期投資されているとみることができます。

そのため、一括で大量購入して時間をかけて運用する方が時間分散された投資になり、時間経過リスクが減少するのです。
これは運用期間中に大暴落が来て含み損を抱えたとしても、一括で購入した方がリスクが下がることがシミュレーションで証明されています。

とはいえ、手元の現金を一括で投資に回してしまうと生活が困窮する場合があるため、現実的には固定費を節約をして少しずつ投資に回すお金を増やしていき、毎月積み立てていく方法が堅実かと思います。

つみたてNISAとドルコスト平均法は相性抜群

上記で述べたように、ドルコスト平均法は長期間の少額積立投資で有効のため、つみたてNISAとの相性が非常に良いです。

つみたてNISAは年間40万円までの投資で生じた利益が非課税になるという制度です。
その効果は投資してから20年までであれば有効なので、2020年に投資したものは2040年までに売却すれば、売却益や配当金が非課税になります。
・20年という長期投資
・年間40万円の少額投資
・毎月定額の積立投資

というドルコスト平均法が効果を発揮するには絶好の制度です。

ドルコスト平均法で投資を始めてみたいという方は、つみたてNISAの範囲内の金額から始めてみてはいかがでしょうか。
年間40万円、ひと月当たり3.3万円までを積み立てると、20年後いくらになっているかをシミュレーションしてみましょう。
楽天積立かんたんシミュレーションで計算することができます。
毎月3.3万円を年利7%で運用したとすると、20年後には1,719万円になることがわかります。

画像引用:楽天証券 積立かんたんシミュレーション

元本792万円に対して最終積立額が1,719万円のため、差益は927万円になります。
本来であれば、利益927万円に対して20%が課税されるため、185.4万円が税金として引かれてしまいます。
しかし、つみたてNISAであれば利益に対して非課税になるので、927万円が丸々手元に残すことができるのです。

ところで、今回のシミュレーションは利回り7%で計算しましたが、この利回りは現実的なのか疑問に持たれた方もいるかもしれません。
このブログも紹介しているS&Pに連動したファンドへの投資であれば、十分に実現可能なリターンだと考えています。

長期投資に関心が湧いた人は、3.3万円を投資に回せるようまずは家計を見直してみましょう。

機械的に積み立てて投資の不安を克服しよう!

以上をまとめると、ドルコスト平均法は
・高値で掴むリスクが減り、平均取得単価を下げられる
・感情を挟まず、機械的に合理的な投資ができる
・少額から一定額積み立てが可能なので家計を管理しやすい

・長期投資で効果を発揮する
・大勝ちはできないが、負けない投資

・時間分散リスクは大きい手法
・つみたてNISAとの相性が抜群


投資は怖いとか不安という感情が邪魔してなかなか踏み出せない人は多いです。
そして、投資をしている人でも多くの人が精神的に辛くなり途中退場してしまいます。
しかし、投資で大切なのは勝つことではなく負けないことです。
感情に左右された投資ではいずれくる大暴落に耐えられず投げ出してしまいますが、ドルコスト平均法で機械的に投資をすることで、自動で合理的な投資ができるようになります。
投資に対して不安を感じていて、取引のタイミングがわからないという方はぜひ参考にして、投資への一歩を踏み出してみましょう。

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